D to D(Doctor to Doctor)とは?医師同士をつなぐ遠隔医療の仕組みとオンライン診療の活用方法を解説
2026.09.25
D to D 眼科の診療支援
D to D(Doctor to Doctor)とは、医師と医師を情報通信技術でつなぎ、離れた場所から診療支援や相談、情報共有などを行う遠隔医療の形です。
例えば、地域の医療機関にいる医師が、遠方の大学病院や専門病院にいる専門医へ患者様の症例について相談するケースがD to Dにあたります。医師がいる場所に左右されず、専門的な知見をリアルタイムに共有できるため、地域医療の支援や医師不足・医師偏在への対応、医療従事者の教育など幅広い活用が期待されています。
今回は、D to Dの意味や主な活用方法、オンライン診療・医療連携システムを利用するメリットについて解説します。
D to Dとは
D to Dは、その名称の通り「医師から医師へ(Doctor to Doctor)」という意味を持つ遠隔医療の一つです。
遠隔医療には、主に以下のような形態があります。
・D to P (Doctor to Patient): 医師と患者様を直接つなぐ、いわゆる通常のオンライン診療
・D to D (Doctor to Doctor): 医師と医師をつなぐ遠隔医療
・D to P with D (Doctor to Patient with Doctor): 患者様と同じ場所にいる主治医(対面)と、遠隔地の専門医、患者様の3者を通信でつなぐ複合型の形態
D to Dでは、単に医師同士で電話会話をするだけではありません。患者様の症例やDICOM画像・検査結果などを共有しながら専門医へ相談する遠隔コンサルテーションをはじめ、複数の医療機関をつないだ遠隔カンファレンス、遠隔放射線画像診断、遠隔病理診断なども医療従事者間の遠隔医療に含まれます。
さらに近年では、熟練医や指導医が遠隔地からライブ手術映像を共有しながらリアルタイムにコンサルト・指導できる遠隔手術指導(テレメンタリング/プロクタリング)の活用も大きく広がっています。
D to Dが必要とされる理由
D to Dが注目されている背景には、医師や医療機関の地域偏在があります。
すべての地域にあらゆる診療科の専門医を配置することは簡単ではありません。地域の診療所や病院では、専門的な判断が必要な症例について、大学病院や高度医療機関へ相談することがあります。
従来は、電話や医師個人のつながり(人脈)を通じて相談するケースもありました。しかし、相談できる専門医が個人的な人脈に左右されたり、電話だけでは画像を見ながら説明しにくかったりする課題があります。オンライン診療システムや医療連携システムで医療機関同士をつなぐことで、距離や人脈に左右されず専門医の知見を共有しやすい環境を整えられます。
産業技術総合研究所でも、遠隔医療は「時間と空間の制約を越えて医療を提供する仕組み」とされており、D to Dの活用例として、遠隔コンサルテーションや遠隔カンファレンス、若手医師への教育などが挙げられています。
D to Dの主な活用シナリオとメリット
遠隔コンサルテーションによる診療支援
D to Dの代表的な活用方法が遠隔コンサルテーションです。
地域医療機関の医師が診断や治療方針について判断に迷った場合、患者様をすぐに遠方の病院へ紹介・転院させるのではなく、専門医とオンラインで症例を共有して相談できます。専門医の知見へ即座にアクセスできる環境をつくることが、患者様の遠距離通院や緊急搬送の負担軽減、地域医療の質向上につながります。
手術・手技の指導(テレメンタリング/プロクタリング)と教育
D to Dは臨床現場での術中・手技支援や医療技術の継承にも力を発揮します。
最大の特徴は、高精細なライブ手術映像をリアルタイムに共有しながら、遠隔地の指導医・専門医からその場でコンサルトや適切な指示(テレメンタリング/プロクタリング)を受けられる点にあります。特に近年件数が増加している腹腔鏡・胸腔鏡などの内視鏡手術や、循環器領域におけるカテーテルアブレーション治療などの高度な手技において、遠隔指導のニーズが非常に高まっています。
また、地域の若手医師と都市部などの経験豊富な指導医をオンラインでつなぎ、画像を確認しながら意見交換を行うことで若手育成にも寄与します。複数の医療機関を同時につなげられる環境があれば、施設を跨いだ合同カンファレンス(キャンサーボード等)にも活用可能です。
【現役医師向け】D to D導入時に押さえておきたい実務ポイント
D to Dを実際の臨床現場に取り入れるにあたり、医師として把握しておくべきポイントです。
・診療報酬・制度の動き: 遠隔画像診断や遠隔病理診断に加え、D to Dによるオンラインでの医療連携・コンサルテーション評価の対象拡大や要件整理が進められています。
・ガイドラインとセキュリティ要件: 医療情報を取り扱うため、厚生労働省の「オンライン診療の適切な実施に関するガイドライン」や「3省2ガイドライン」に準拠した強固なセキュリティが必要です。一般的な汎用チャットツールや未対策の会議ソフトでの患者情報共有は、情報漏洩リスクやガイドライン違反の観点から避ける必要があります。
・責任の所在(医事紛争・受任責任): D to Dコンサルテーションやテレメンタリングにおける最終的な診療・手術責任は、原則として患者様を直接執刀・診察している現地の主治医(執刀医)にあります。助言を行う専門医との役割分担や記録(カルテ記載)の取り決めをあらかじめ整理しておくことが推奨されます。
D to Dに求められる遠隔医療システム
D to Dを実際の医療現場や手術室で利用するためには、単に映像と音声をつなげるだけの一般的なWeb会議システムでは不十分です。
内視鏡やアブレーションなどのライブ手術映像、あるいは患者様の症状・検査画像を正確に確認・判断するためには、高画質・高精細な映像データのリアルタイム共有と遅延のない安定した通信環境が欠かせません。また、画面上の病変部や手技のポイントを正確に指し示すための直感的なアノテーション(書き込み・指示)機能も求められます。
さらに、患者様の厳格な医療情報を取り扱うためのセキュリティやデータ管理への配慮はもちろん、1対1の相談から複数施設・多部門が参加するカンファレンスまで拡張できる多拠点接続の仕組みも重要になります。

D to D 耳鼻科の手術支援
汎用性と医療現場への最適性を兼ね備えた「KizunaWeb」
ボーダレス・ビジョン株式会社では、D to Dをはじめとする遠隔医療・医療連携にベストマッチするシステム「KizunaWeb」を提供しています。
KizunaWebは、汎用性の高い双方向コミュニケーションシステムとしての使いやすさを備えながら、医療現場の厳しいニーズに応える高スペックな機能を標準搭載した医療連携ソリューションです。
・高画質・高精細映像のリアルタイム共有: 離れた医療施設同士を高品質な映像と音声で接続。電子カルテの内容やPACSの画像データはもちろん、内視鏡手術やアブレーションといったライブ手術映像に関しても、医療情報ガイドライン等で認められた安全な画像転送形式を用いてリアルタイムかつ鮮明に共有できます。
・充実のアノテーション機能: 共有画面上に双方からリアルタイムで直接ポインティングや手書き入力が可能なため、術中の視界や細かな病変部、手技の具体的な指示(テレメンタリング)を正確に伝えられます。
・柔軟な多拠点接続対応: 地域の医療機関と専門医の1対1コンサルテーションから、複数の医療施設・多職種が参加する大規模カンファレンスまで柔軟にカバーします。
医療現場では、専門医の知識が必要になったときに「どこにいる医師へどう正確に相談できるか」が診療や手術の成果を左右する重要な要素になります。D to Dによって距離の壁を越え、高精細な検査情報やライブ映像をインタラクティブに共有できれば、地域にいながら高度で専門的な知見を取り入れられる医療環境をつくることができます。
医師同士をつなぎ、地域や施設の垣根を越えた質の高い医療連携や遠隔手術指導を始めたい。そんな場面で、医療分野にベストマッチするKizunaWebが役立ちます。D to Dを実際の医療現場へ取り入れるなら、多拠点をつなぎ、安全に医療情報を高精細に共有できるKizunaWebにお任せください。