D to P with D/N(Doctor to Patient with Doctor / Nurse)とは?オンライン診療の課題を克服する新しい遠隔医療のカタチを解説
2026.10.02
D to D with P 産科の検診支援
D to P with D/N(Doctor to Patient with Doctor / Nurse)とは、患者様の側に医師(Doctor)または看護師(Nurse)が対面で付き添い、遠隔地にいる専門医と通信でつないで診療を行う遠隔医療の形態です。
従来の患者様が自宅から一人で受診する「D to P(通常のオンライン診療)」では、触診や精緻な画像検査が行えず、また高齢の患者様がIT機器の操作に戸惑うといった課題がありました。D to P with D/Nは、現地に医療従事者が同席することでそれらの課題を解決し、地域医療の質向上や医療アクセス格差の解消に大きく貢献する仕組みとして注目されています。
今回は、D to P with D/Nの概念や主な活用シナリオ、導入にあたってのメリットやポイントについて解説します。
D to P with D/Nとは
D to P with D/Nは、対面診療と遠隔診療を組み合わせた「ハイブリッド型」の遠隔医療システムです。
遠隔医療の代表的な形態には、以下のような分類があります。
・D to P (Doctor to Patient): 遠隔地の医師と自宅等の患者様を直接つなぐオンライン診療
・D to D (Doctor to Doctor): 医師同士が症例相談やカンファレンスを行う遠隔医療
・D to P with D (Doctor to Patient with Doctor): 患者様側に主治医(対面)が同席し、遠隔地の専門医と3者をつなぐ形態
・D to P with N (Doctor to Patient with Nurse): 患者様側に看護師(対面)が同席し、遠隔地の医師と患者様をつなぐ形態(訪問看護やオンライン診療補助)
これらを包含したD to P with D/Nでは、現地の医師や看護師が患者様の身体的サポートや聴診・触診補助、検査データのリアルタイム共有、機器操作を代行します。これにより、完全なオンラインでは困難だった高精度な診療や円滑なコミュニケーションが可能となります。
D to P with D/Nが必要とされる理由
D to P with D/Nが注目されている背景には、人口減少地域における医療資源の偏在と、高齢化に伴う受診困難者の増加があります。
すべての地域にあらゆる専門医を配置することは難しく、地方や離島の患者様が高次医療機関を受診するには長時間の移動や緊急搬送の負担が伴います。また、高齢の患者様単独でのオンライン診療は、操作のハードルや症状の聞き取り漏れといったリスクが懸念されていました。
現地に主治医や訪問看護師(D/N)が同席するD to P with D/Nを構築することで、患者様は住み慣れた地域や自宅にいながら、専門医による高度な診察・指導を安心して受けられるようになります。
D to P with D/Nの主な活用シナリオとメリット
1. 専門医不在地域でのオンライン専門外来(D to P with D)
地域の診療所に通院する患者様に対し、現地の主治医(D)が同席のもと、大学病院等の専門医(皮膚科、神経内科、精神科、循環器内科など)をオンラインで接続します。
・メリット: 主治医が現地で診察補助を行いながら専門医のコンサルテーションを同時に受けることで、患者様の遠距離通院を回避しつつ、最適な治療方針をその場で決定できます。
2. POCUS(超音波検査)を併用した精密な遠隔診断・訪問診療
近年、診療現場や訪問先で小型エコーを用いて行う「POCUS(Point-of-Care Ultrasound)」の活用が急速に広がっています。
・メリット: 現地の医師や看護師が当てるエコー(超音波)のリアルタイム映像を遠隔地の専門医へ遅延なく伝送することで、心機能、腹部臓器、下肢静脈瘤、胸水・腹水の評価などをその場で精度高く鑑別・診断することが可能になります。
3. 訪問看護・在宅医療におけるオンライン診療補助(D to P with N)
訪問看護師(N)が患者様の自宅を訪問した際、モバイル端末等で主治医や専門医と接続します。
・メリット: 看護師がバイタル測定や患部状態の観察、POCUSの画像伝送や処置を現地で行いながら医師の指示を受けられるため、在宅患者様の急変時対応や定期診察の精度が格段に向上します。
4. オンライン手技指導・患者指導(プロクタリング・遠隔指導)
糖尿病の自己注射指導やレスピラトリーケア、リハビリテーションなどにおいて、現場の看護師や医師を通じて専門的な指導を患者様へ届けることができます。
【現役医師向け】D to P with D/N導入時に押さえておきたい実務ポイント
D to P with D/Nを実際の臨床現場に取り入れるにあたり、医師として把握しておくべきポイントです。
・診療報酬・制度の動き: 厚生労働省による改定において、看護師同席型オンライン診療(D to P with N)の評価や、D to P with Dにおけるオンライン受診勧奨・連携評価の要件整理が進んでいます。制度上の算定要件(対面診療の実施頻度や適切な施設基準など)を確認しておくことが重要です。
・セキュリティとガイドライン要件: 医療情報を取り扱うため、厚生労働省の「オンライン診療の適切な実施に関するガイドライン」や「3省2ガイドライン」に準拠した通信暗号化やアクセス制御が不可欠です。汎用のWeb会議ツール等での運用はセキュリティリスクがあるため避けるべきです。
・診療責任の明確化: 診療責任(医事紛争や受任責任)は、D to P with Dの場合は現地で患者様を直接診察・受診補助している主治医、D to P with Nの場合は遠隔で診察・処方指示を行う担当医師にあります。看護師の業務範囲(保助看護師法に準拠した診療補助行為)や記録(カルテ記載)の取り決めをあらかじめ明記しておくことが推奨されます。
D to P with D/Nに求められる遠隔医療システム
D to P with D/Nを実際の医療現場や訪問看護の場で円滑に運用するためには、単純なビデオ通話システムでは不十分です。
患者様の皮膚所見や眼底、検査画像、そしてPOCUSによるリアルタイムな超音波(エコー)動画像などを正確に確認・判断するためには、高画質・高精細な映像データのリアルタイム共有と遅延のない安定した通信環境が欠かせません。また、画面上の患部やエコー像の気になるポイントを正確に指し示すための直感的なアノテーション(書き込み・指示)機能も求められます。
さらに、患者様の厳格な医療情報を取り扱うためのセキュリティやデータ管理への配慮はもちろん、1対1の相談から主治医・専門医・看護師・患者様が参加する多地点接続まで対応できる柔軟性も重要になります。
汎用性と医療現場への最適性を兼ね備えた「KizunaWeb」
ボーダレス・ビジョン株式会社では、D to P with D/Nをはじめとする遠隔医療・医療連携にベストマッチするシステム「KizunaWeb」を提供しています。
KizunaWebは、汎用性の高い双方向コミュニケーションシステムとしての使いやすさを備えながら、医療現場の厳しいニーズに応える高スペックな機能を標準搭載した医療連携ソリューションです。
・高画質・高精細映像のリアルタイム共有: 離れた医療機関や訪問先を高品質な映像と音声で接続。電子カルテの内容やPACSの画像データはもちろん、POCUS(超音波検査)などのリアルタイムなエコー映像や患部の高精細映像に関しても、医療情報ガイドライン等で認められた安全な画像転送形式を用いてリアルタイムかつ鮮明に共有できます。
・充実のアノテーション機能: 共有画面上に双方からリアルタイムで直接ポインティングや手書き入力が可能なため、遠隔地の専門医がエコー像の注目部位や患部の状態、手技の指示を正確に現地医師・看護師へ伝えられます。
・柔軟な多拠点接続対応: 主治医・専門医・訪問看護師・患者様など、複数の拠点や端末を同時につなぐスムーズなオンライン診療環境を実現します。
医療現場では、専門医の知見や看護師の手厚いサポートが必要になったときに「どう正確に遠隔地と情報共有できるか」が診療の質を左右する重要な要素になります。D to P with D/Nによって距離と環境の壁を越え、高精細な情報やPOCUSなどのライブ映像をインタラクティブに共有できれば、地域にいながら高度で安心な医療を提供できる体制をつくることができます。
患者様を中心に、医師や看護師がチームとなって取り組む新しい医療連携・オンライン診療を始めたい。そんな場面で、医療分野にベストマッチするKizunaWebが役立ちます。D to P with D/Nを実際の医療現場へ取り入れるなら、多拠点をつなぎ、安全に医療情報を高精細に共有できるKizunaWebにお任せください。